「ママはDRUGってしたことある?」 | 愛しいカンケイ
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「ママはDRUGってしたことある?」

【2009.09.29 Tuesday 06:39

 「ママはDRUGってしたことある?」

学校から帰ってきた8歳の娘が、
迎えにいった私の車のなかでこう言いました。

私の頭のなかはこういうとき、クルクルっとまわります。

もちろん彼女は、私に、虫さされの薬をぬったか、
生理痛の薬を飲んだか、と聞いているんじゃありません。
いったい、どこから来たの、この質問?
まずは時間稼ぎに、彼女がもっている情報を話してもらおうと、
仕事でインタビューをするときのように、会話を続けることに。

「学校で誰かがDRUGのことを話してたの?」
と質問を質問で返してみました。

しかし、娘のほうがウワテ。

「あのね、ママ、
アイナはママがDRUGをしたことがあるかを聞いているの。
したことある? ない?」

「……」

「ある? ない?」



私は、あまり器用ではありません。
娘に一年三ヶ月母乳をあげていたときは、
「母親として」という役目を果たしていたと思うのですが、
それ以降は、あまりお役目を全うできておらず、
「母親として」の会話があまり上手ではないのです。

迫りくる娘の問いに、つい、

「ないよ、一度もないよ!
でもね、ママは、見たことはあるよ。
DRUGをしないかって勧められたこともあるよ。
でも、DRUGのせいで苦しんでいる人も見た。
だから、絶対、絶対、DRUGは嫌だと思ってる。
ママはDRUGが大嫌い!」

と、まくしたててしまいました。

語気の強さに、車の端っこに張りついた娘は、
しばらくすると、にじり寄ってきて、

「ママ、ママはすごくえらいね。
世界で一番いいことをしたと思うよ」

と頷きながら、肩をさすってくれました。

私がDRUGが大嫌いであることが伝わったようです。

娘の様子がなんだか可笑しかったのですが、
ここで笑ってはいけません。
真剣、真剣。

そして、さらに娘はこう続けました。

「マウイではね、ICEっていう名前のDRUGが
一番たくさんあって、困っているんだって。
学校にOfficer Dodsが来て教えてくれたの」


Officer Kehau DodsとKula Kaiapuni ma Pa'iaの三年生

Maui Police Department(略称:MPD)では、
各学校を担当するPolice Officerがおり、
娘の学校を担当してくれているのは、
Officer Kehau Dods、みんなの人気者です。

MPDは、D.A.R.E.というプログラムのもと、
子どもたちへの指導を行っています。

D Drug
A  Awareness
R  Resistance
E  Education

Drugの存在を自覚して認識しよう、抵抗しよう、
危険性を教育しようというプログラムです。

日本では芸能界で覚せい剤問題が騒がれていますが、
これは今にはじまった問題ではないように思います。
芸能界というところが、宇宙の遥か彼方ならともかく、
芸能界にある覚せい剤が、私たちの横にないと
誰が言い切れるでしょう。

さて、私たちは知るべきことを知っていますか?

知るべきことを知るのは大切。
すでにあるものを見ないふりはできないのですから。

8歳の娘がいきなりDRUGの話をするのには
驚きましたが、マウイ島のD.A.R.E.のプログラム実施を
目に見たようで、とてもよいことだと思いました。

娘が具体的なDRUGの名前をあげたことや、
そのICEというものはどんな様子で、
どれほど危ないのかということを知っていたことで、
プログラムの内容が具体的であることもわかりました。

ICE、SPEED、CRYSTALと呼ばれる、
Methamphetamineは、習慣性、中毒性の強い合成物質。
脳に興奮をもたらす度合いは、食べ物への興奮を50%、
セックスでの興奮を100%したときに、
コカインは350%、Methamphetamineは1200%と
言われています。

現在、1gのMethamphetamine(略称:Meth)は、
200ドルから250ドルで売られており、
決して手の届かない金額ではないのです。

ここにハワイ州の事実をあげてみますと、

Methの中毒者治療承認数、国内第三位
Methに関連した犯罪数、国内第四位
43億ドルの救急外来費
10年生(高校一年生)におけるMeth利用87%増
(7.3%がMethを利用したことがある)
12歳以上のMeth利用者の数、国内第五位

この事実は消せません。

でも、改善するために努力はできます。


8歳から11歳の子どもたちへのDAREプログラム実施は大切!

いま、子どもたちのなかでとても注目されているのは、
Hawaii Meth Projectの活動。
特にこのプロジェクトのTV、ラジオ広告が流れると、
誰もが心をとめます。

Methによって一度失った人生を取り戻した人や
Methによって家族、恋人を失った人が、
実名で、彼ら自身の姿と声で、語りかけてくるのです。

彼らの告白は、彼らをテレビのなかの人、
ラジオのなかの声だけに思わせない何か、
私たちが彼らを友人として感じさせる何かがあります。


「成長」のシンボル、ウル

私たちは間違いをおこします。
間違いをおこさない人などいないでしょう。

だとしたら、彼らの存在は、
私、私の愛しい誰かになる可能性があると思うのです。

私は娘に話しはじめました。

私と娘がよく知っている、ある女性のことを。
保釈金を集めてその女性を留置場から連れ出し、
Methの治療団体に預けたときのことを。
どれだけの痛みと、どれだけの涙が流れ、
何が失われたかということを。

本当のことを伝える以外に何ができるでしょうか。

できることをする、
毎日はただそれだけのためにあると思うのです。

author : jingujiai
| ACTION in our life | comments(6) |

この記事に関するコメント
愛さん。私も先日、中学2年生に対しての県警の方による薬学講座を見学しました。今出回っているドラッグの種類やドラッグがからだや心に及ぼす影響を、しっかりと教えてくれていました。またもし「卒業した先輩からドラッグを誘われたら」という設定で、どう断るかというロールプレイにトライしてましたよ。正確な情報を知ることは、本当に大切だと思います。
| 谷澤 | 2009/09/30 8:30 PM |
私の周りには、ドラッグをやっている人はいません。
そのせいで、身近には感じられないのです。

将来、子供が生まれたらドラッグのことをどう伝えようか・・と悩んだことがありました。
自分では、テレビで聞いたことや本で読んだことしかわかりません。
それを話して聞かせても、子供は親身にきいてくれるのか・・。
本当に怖いものだとわかってくれるのか・・・。

愛さんのお話を読んで
「ああ、自分がどんなにドラッグを嫌いなのか」が一番わかってくれるかもしれない。
と思いました。
私には関係ない、ではないのですよね。
すぐ隣にあるものだとよく感じながら生活します。
| チカ | 2009/10/01 1:05 AM |
日本の学校でも取り組みが進んでいて安心しました!
私が学生のころは、かなり中途半端だったと思います。
遠いお空の話ではなく、ロールプレイにして学ぶなんて、
すごくいいですね。DRUGを使用する子どもたちのなかには、親がしていたから、という子も多いです。親以外でも、親戚とか。
逆に、親がしていたから絶対にしたくないとがんばる子もいます。
私は峰子さんとのHIV・AIDSプロジェクトで、かなりローカルな情報を得ました。それと、やはり身近にDRUGを使用して警察に捕まった人がいたりとか。どれだけ自分の近くに引き寄せて物事を考えるか、子どもたちに考えさせるかですよね。谷澤さんみたなカウンセラーさんがいたら、子どもたちは本当に幸せだと思います!
| 愛→谷澤さん | 2009/10/01 6:27 AM |
たぶん、子どもさんに話すときはタイミングとかもあるし、お子さんの性格にもよると思いますよ。私は、結構、娘が小さいときからなんでも話していましたが、DRUGのことをしっかり話したのは今回がはじめてです。私は本当に母親らしい会話ってのができないのですが、自分の感情を子どもにどんどん伝えていきます。なので、DRUGが本当に恐ろしいものだっていうことより、私がDRUGが大嫌いだってことが、娘に伝わったと思います。あとは、ことあるたびに話すことにすると思います。Hawaii Meth ProjectのTV、ラジオ広告はそういう話すタイミングをくれるとてもいい広告活動なんですよ。
| 愛→チカさん | 2009/10/01 6:36 AM |
わーお。。。
まだ8歳でも、ドラッグの教育を受けなきゃならない現実・・・!? びっくりしました。まあね、ニューヨークも10代のコがクスリ売ってる現実があるのだけれども。
オレゴン州ポートランドにいたときに、道端にときどきmethやってるコがいたの。顔に出ちゃうんだよね、methって。数ヶ月で顔がもう別人みたいに(あるいは10年歳とったみたいに)なっちゃうの。

でも、情報は隠さず教えたほうがいい、という考えに賛成! だって自分が子供の時のこと考えても、教えてくれた方がうれしかったもの。

でもね、こういうシリアスな話題でも愛ちゃんの写真いいね!! 見ているとなんだかとてもホッとするのです。
| | 2009/10/03 2:36 PM |
なんとなくなんだけど、ハワイって、ずーっと閉ざされた文化だったでしょう、交通手段はカヌーでさ、で、1778年にイギリスのジェームズ・クック到来、で、貿易がちびちびはじまり、そのあたりから、だんだんいわゆる開国みたいな感じになってきて、で、いまは米国の一州でしょ。なんかね、病気の蔓延でネイティブの人が90%減になったりさ、こう、外からくるものにまだ弱いんじゃないかなって思うの。食文化とかもそう。なんか、アディクトされやすいというか、なんか、ひずみを感じるよ。それと、DRUGって意外と島国にはびこりやすいのわかる気がするし。Methをすると確かにすごく変わるよね。このMeth projectは学校とかも回るんだけど、ティーンエイジの子たちや、その親に向けたクラスのときは、Methをしていると口のなかや皮膚、目がどうなるかとか、写真で教えるの。HawaiiもはじめはMethの中毒者のリハビリ施設とか、病院の外来費のファンドとかに目がいったらしいけれど、治療してるより、予防したほうがいいに決まっていると気がついてから、かなり活動が盛んなの。このMeth Projectはすごくいい結果を他の州で生んでいて、広告や活動の仕方もすごくハワイのコミュニティに取り入れやすい内容でいいよ。
写真をほめてくれるの、うれしいよ、葉ちゃん。もっと機材のことがわかるといいけど、全然だめで、いつもの古いカメラでパチリとやってるだけなのだ〜。
| 愛→葉ちゃん | 2009/10/07 6:20 AM |
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神宮寺 愛
writer & coordinator
(J.U.One Corporation)
'ōlapa(Pā'ū O Hi'iaka)
@ Maui, Hawaii