Moments of Hula O Na Keiki final | 愛しいカンケイ
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Moments of Hula O Na Keiki final

【2009.12.09 Wednesday 09:00

 11月15日 土曜日

前日の興奮も覚めやらぬまま、
早朝より、袋をかかえて、プルメリアの花を取りに、
あっちにいったり、こっちにいったりの朝でした。

みなさまもきっとご存知のプルメリア、
本日は300個ほど必要です。


これが私の一番好きな種類のプルメリア

300個が多いか少ないかというとですね、
少ないほうですね。
今回は晴乃ちゃん一人分ですから。

実は、プルメリアにもいろいろ種類があります。
花びらの丸めのもの、とがり気味のもの、細いもの、
太めもの、また色も豊富でして、白っぽいもの、
黄色味の強いもの、ピンク色のもの、赤いものなどです。

ですが、私たちが今回使うことになったのは、
ハワイの人々がプルメリアと言ったらコレ!という、
中心が強い黄色で、花びらは白く、花弁の先がとんがったもの。

11月という季節は夏に比べると花が少ないのですが、
なんとか一時間半ほどかけて、花を集め、会場に向かいました。

今日はアウアナ(現代的なフラ)を踊る日ですから、
ミュージシャンも集まってきます。

ウッドベースにパパ・ポキ、
ギターにキモ、ウクレレにレア、ボーカルにカノエ。
土曜日なので子どもたちも朝からいるので賑やかです。


みんなでひとつになってがんばろうね!
ダンサーはいつも、どんなときも、ミュージシャンに助けられます


アウアナの曲は1944年にレナ・マチャドによって
作曲された「Mom」
その時代に合わせた衣装を身につけます。

素材はレーヨン、鮮やかなブルーにハイビスカスの絵柄。
ナー・プア・リコ・ヴァイ・ホオラの衣装担当、
ようこちゃんをチーフに出来上がった衣装は、
晴乃ちゃんにぴったりです。

実はナー・プア・リコ・ヴァイ・ホオラには、
本当にたくさんのアーティストがいるんです。
ようこちゃんもその一人、洋服を美しく作るアーティストで、
ファッション業界のなかで活躍するプロフェッショナル。

ですから、その技ったらありません。
几帳面なアンティ・ケアラの衣装制作で、
何人もがやっと作り終わった衣装をほどかせられ、
はじめから作り直すはめになったことはありましたが、
ようこちゃんも、やさしい笑顔で、一ミリのずれを許しません。

そんなようこちゃんの作った衣装、
どんなに近くにいっても、うっ、美しい! 縫い目がすごい!
衣装をじーーーっと、じーーーっとそばで眺める私は、
晴乃ちゃんに「愛さん、コワイってば」と言われる始末でした。

さて、マダム・ヨウコのメゾンで制作された衣装の次は、
朝、収穫をおえたプルメリアのレイです。

ジュンコ・ママのアイディアで、晴乃ちゃんは、
ママの好きな花、ハイビスカスを衣装に、プルメリアをレイにして、
身につけて踊ることになったのです。

だって、曲は「Mom」ですから!

レイはおへそまでさがるほどの長いレイを二本、
そして、ヘア・スタイリングを担当したカウイが、
晴乃ちゃんの頭に、なんと60個の花をつけました。


カウイの手はまるでアンティの手のように動き
あっという間にこんなに美しいヘアスタイルが!


「曲を感じてごらん!」

練習のときのパパ・ポキのアドバイスが聞こえます。

Mom, I love you, yes I do
Wait for me, Mom, I’ll be home real soon
I never knew how much you meant to me
Now that I’m so many miles away from you
Only God knows when or where we’ll meet again
To hold you in my arms once more
To hear your voice, to see your smile
O God, do please keep my mom

ママは子どもにとって、とっても身近で、絶対的な存在です。
身近でありすぎることから、そしてお互いを愛しすぎることから、
余計な甘えが、余計な期待が、生まれてきます。

作詞、作曲家であり、当時のハワイの歌姫であった
レナ・マチャドは、彼女のコンサートにやってきた女性が、
世界第二次大戦に出兵した息子からの手紙を
見せてくれたことをきっかけに、この曲を作りました。

手紙のなかで、息子は母に言うのです。

お母さん、愛してる、本当に愛してる。
いつも言うこと聞かなかったこと、本当にごめん。
僕はこんなにもお母さんのことを愛していたなんて、
いままで気がつかなかったんだ。
今度、いつか、家に帰れるのなら、必ず言いつけを聞くよ。
お母さんの言いつけどおりに、
ゴミ捨てだって、庭の芝刈りだって、ちゃんとするって約束する。
でも、いまは、僕がいつ家に帰れるのか、
本当に帰ることができるのかわからない。
だから神様、お母さんをどうか守ってください。
僕が帰るときまで。

「ゴミを捨ててきてちょうだい」
「庭の芝を刈ってね」
ハワイでは定番の男の子の仕事を言いつけるお母さんの口癖。
「うるさいな〜」と聞こえないふりをしたり、
なんとかごまかして遊びにでかけようとする息子。

歌はあまりにも私たちのそばにありました。


ジュンコ・ママのしているピカケのレイはカウイから
アンティ・ケアラの一番好きなレイ


私は晴乃ちゃんに言いました。

「私は最後にアンティ・ケアラに、I love youを言ったけど、
そのときにそれが最後になるって思わなかった。
でもそれをそのとき言えて本当によかったって、今は思うよ。
晴乃も、お母さんがいつも晴乃のそばにいて当たり前だって
思ったらいけないよ。お母さんは今、大切にしないと、
気がついたら大切にできなくなっちゃうこともある、
今、I love youって伝えておかないと、
伝えられなくなるときもある。
そんなことが起こらないほうがいいけれど、
起こるかどうか、起こらないかどうかは誰にもわからないじゃない」

学校がお休みの今日は、
客席に晴乃ちゃんのための応援団が増えました。
拍手と歓声が沸きます。

踊り終わってステージの裾に晴乃ちゃんを迎えに行くと、
そこには、アンティ・ベイブが静かに座っていました。

「よくやったね」

アンティ・ベイブはそう言って、私たちを優しい目でじっと見ました。

アンティ・ベイブはアンティ・ケアラの大親友だった
アンクル・カノエアウのお母さんです。

そう、私たちのハーラウ、カノエアウ・ダンス・アカデミーは
彼の名前からきているのです。

だからこそ、私たちにとって、アンティ・ベイブの言葉は、
それだけですべてが報われる意味を持っていました。

来年で二十年を迎えるカノエアウ・ダンス・アカデミーは、
アンティ・ケアラとアンクル・カノエアウとの出会いによって
名前が生まれ、その後まもなく、
アンティがアンクル・カノエアウの最期を看取ったのです。

ステージの裏口から外にでると、
まぶしい太陽が私たちを照らしました。

大きなウッドベースを抱えて、パパ・ポキが歩いてきました。

パパの大きな目は、赤くなり、涙でいっぱいでした。


パパ・ポキとリーレイ

パパ・ポキの孫のリーレイが駆け寄り、
泣いて抱き合うパパ・ポキと私をからかいます。
はい、そうです、年取ると涙もろくなりますね。

晴乃ちゃんはめでたく、
ハワイ語部門で三位を受賞し、お母さんと一緒に帰国しました。

Mom, I love you, yes I do

娘のアイナがいまでもふざけて歌います。
あまりにふざけるので、急ぎ足で行こうとすると、

Wait for me, Mom, I’ll be home real soon

と歌いながら、踊りはじめます。
私が笑いながら、さらに足を早めていくと、後ろのほうで、

O God, do please keep my mom

大声で最後のポーズをとって、ゲラゲラ笑うのです。

なので、私もつい、一緒にふざけて踊ります。

いつか離れ離れになることがあっても、
このときの馬鹿みたいな大笑いが思い出せるように。


Happy Ending !! Always !!

author : jingujiai
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神宮寺 愛
writer & coordinator
(J.U.One Corporation)
'ōlapa(Pā'ū O Hi'iaka)
@ Maui, Hawaii