FEEL it ! | 愛しいカンケイ
暑中お見舞い申し上げます!

【2012.07.09 Monday 05:08
 マウイでもやはり7月に入ると
夏本番という感じがします。

たわわに実ったマンゴーが色づき、
今年はライチの当たり年のせいか、
サクランボの木かと見間違うほど鈴なり。
果物好きの私に親愛なる友人たちから
マンゴー、ライチの差し入れが!


空色庵の読者のみなさまに、
夏のご挨拶をしなくてはと思いつつ過ぎた6月、
なんと、ワタクシ、引っ越しをしていたのです。
住み慣れたワイルク周辺を離れ、
ハレアカラの裾野、マカワオという高原の町へ。

娘が5月に無事、6年間通ったノースショアの
パイアにある小学校、Kula Kaiapuni ma Pa'iaを
卒業して、8月からはマカワオにある、
Kula Kaipuni ma Kalamaへと進むこと、
そして、PTと娘との三人暮らしを始めようと、
マカワオの家に引っ越して一ヶ月、
やっと落ち着きはじめました。

盛大な卒業式は笑顔と涙でいっぱい!

マカワオは私の好きな町のひとつ、
長年愛用しているスキンケアアイテムを
調達したり、友人のお店を訪ねたり、
大好きなイタリアンレストランのカサノヴァで
ランチをしたり、マウイで一番、
いえいえ私的には世界で一番のドーナツを売る
コモダベーカリーに立ち寄ったり、
お世話になっている薬局をのぞいたりと、
月に数回は足を運んでいた場所なのですが、
やはり、住んでみるのとは違いますね。

まずは、空気がいい!
いい匂いの空気を吸ったり、吐いたりするだけで、
心身満たされるわけですよ〜。

ベッドルームの脇の池に咲く
トーチジンジャーを住処にしてる先住人

ハレアカラの裾野には、
マウイの人々に昔から愛されている雲があり、
雲から降る雨があり、風があり……。
その雨と風を眺めるだけではなく、
そのなかに暮らすことはとても幸せなことです。

新居は、大家さんのボブとエロイサの家の
百数種類もの植物と池や滝のある敷地内。
オーガニックの野菜畑をシェアしてくれる
エロイサのもと、ただ今、野菜作り、
ハーブ作りを勉強中です。
家で食べる分の野菜やハーブは畑から、
果物をお庭から。以前から、何でもある場所に
暮らして、何でも買って食べていることは危険と、
いろいろ挑戦してはきましたが、ここにきて、
実地で学ぶ経験を与えてもらえるなんて!

夏の色鮮やかな野菜たちに食欲がわきますね!

PTが突いてきた魚!

毎日、こんなに健康的な食事ができるとは……、
と感動しながら、引っ越し体験を振り返り、
石橋をたたきながら渡る私が、
珍しくも熟考したこの挑戦にまずは満足。
考える私を稀に見たであろう家族と友人が、
思いもかけず、強く背中を押してくれたこと、
ありがとうの気持ちでいっぱい。
11年のマウイ島暮らしが、
またさらによきものになっていきそうです。

みんなで作ると美味しい!

娘のアイナは今は日本、
小学校を卒業のお祝いにプレゼントした日本滞在、
存分に楽しんだようで、来週には戻ってきます。
娘の長期日本滞在は今回で4回目、
一人で日本に行くのもすっかり慣れたようです。
六週間、離れていたのですが、
長かったような、短かったような。
子どもって少しでも離れていると、
毎日見てると見えない成長が見えるんですよね。
とっても、楽しみです。

娘が5歳のころ、私が日本にいる娘に電話をして、
「元気にしている?」と聞くと、
「マミー、アイナは元気だよ、
あのね、相変わらずじゃないんだから!」
と言ったのを昨日のように思い出します。
私はお腹が痛くなるほど笑いをこらえ、
「あらそう、それはよかった!
日本語、たくさん覚えてよかったねえ」
というのがやっと。
「相変わらずです」が口癖の大人たちへの
カウンターパンチでした。

さて、みなさんも、夏を楽しんでくださいね。
日本の夏は、世界で一番美しいと
私は思ってます!

毎年夏にお仕事させていただいている
私が尊敬する落合恵子さんのクレヨンハウスの「くよーん」
子どもと一緒に暮らすように楽しむ夏の旅、
マウイ編をご紹介させていただいてます!


author : jingujiai
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Happy Holidays on Xmas Islands

【2010.12.16 Thursday 06:12
年の瀬、師走……、
日本語ほど情景を豊かに写し出す言葉はないなぁ〜
と感動している場合ではありません。

みなさま、いかがお過ごしですか?


フラ・オ・ナー・ケイキで使ったレイが、
クリスマス・オーナメントに!


マウイ島で感じる年の瀬といえば、
アラスカに行っていた鯨たちが、
出産のために戻ってきて、海は賑わいをみせ、
と南国情緒豊かにいきたいところですが。

母でもあるわたくし、
10月の終わりに巨大かぼちゃをくりぬき、
無理難題をいう娘のハロウィーン衣装を作り、
11月のサンクス・ギビングの祝日に家族、友人が
顔を合わせた直後にはクリスマスツリーの飾り付け、
クリスマスギフトのラッピング、カードの手配、
次々にやってくるクリスマスパーティーの知らせ、
お食事持ち寄りのパーティーのための料理、

はい、12月に入ったいま、もう息が絶え絶えです。


部屋のなかを少しずつクリスマス風にね、少しづつ

今年のクリスマス、ホリデーシーズンは昨年よりも
40%以上の観光客の到来が予想されるとかで、
経済的にうれしいニュースに反応したお店は
10月からクリスマスモード全開!
「ママ〜、うちはいつクリスマスのやつ飾る?」
と笑顔の娘のステキなプレッシャーを感じる日々。


マウイ島の高原で採れるイチゴもこの時期が一番美味

鯨見たさに道路の真ん中で車を止める観光客のみなさまや、
孫可愛さに一年ぶりの運転でホリデーショッピングに
くり出すおじいちゃんとおばあちゃんの運転する車をよけ、
日本同様に取り締まり強化となる警察車両に気を配り……。

ホリデー、いらん、 
早くすぎるか、もう来ないかにしてくれ。

と心のなかで叫ぶ私に、笑顔を取り戻してくれるのは、
クリスマス・ソングなんですよ〜!

フラ・ダンサーもミュージシャンも、
10月の終わり頃から、少しずつ復習をはじめ、
Happy Holidayな気分を盛り上げていくんです。

クリスマスキャロルの代表のようなものから、
ハワイアン・クリスマスソングまで、パフォーマンスをしますが、
娘のお気に入りは『White Christmas』、
雪への憧れをいっぱい浮かべて踊ってくれます。


我が家の小さなクリスマスツリーとクリスマスカレンダー

家族が集まるホリデーシーズンが大好きだった
私たちのクム・フラ、アンティ・ケアラは
たくさんのクリスマスソングを教えてくれましたから、
この時期、できる限り踊って、
私たちも楽しみ、お客様にも楽んでいただいています。

また、踊る曲ではないのですが、
私がこの忙しい時期に心を和まされる曲、
どんな状況でもついつい笑ってしまうのがこの曲。

有名なクリスマスキャロル『The twelve days of Chiristmas』
ハワイ・バージョン、つまり替え歌です。
ハワイらしさというか、地元の人たちの楽しむクリスマス感たっぷり。

クリスマスの12日を一日づつ数え、
一日ごとにクリスマスの贈り物を受け取っていくのが歌のコンセプト。
本物の歌では、キジバトや白鳥、乳搾りの娘や金の指輪など、
ヨーロッパの16世紀に作られたクリスマスキャロルならではの
風情ですが、ハワイ・バージョンでは……。

クリスマスの一日目におばあちゃんがくれたのは、
とはじまり、パパイアの木にいる一羽のマイナーバード、
(ハワイの木々にあきれるほどたくさん住んでいる鳥)
二つのココナッツの実、三つのサキイカ(おつまみですね〜)、
四つの花のレイ、五匹の太った豚(ハワイアンフードの定番素材!)、
フラの練習を六回、七匹の元気に跳ねるエビ、ウクレレが八つ、
9ポンドのポイ(ハワイの人々のソウルフード、タロイモを蒸して
水と合えたもの)、ビール缶が10缶、11人の宣教師、
テレビが12台!!!で終わります。

この曲をハワイなまりの英語で歌うので、
クリスマスキャロルが、陽気なハワイアンソングに早変わり。



今日は、クリスマスイブ、
観光シーズン真っ盛りのマウイ島で、
私たちフラ・ファミリーは、クリスマスイブのディナーを作りながら、
ショウのステージへ。キッチンとステージを行ったり来たりの週末です。

世界中からの観光客の集まるハワイ、
移民文化の豊かなハワイ、
宗教や民族という概念とは別の空気が
クリスマス・アイランドにはあるようです。

Happy Xmas Day !!
author : jingujiai
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A HULA DRAMA "KAHEKILI" in JAPAN !!

【2010.10.20 Wednesday 15:50
 港、空港、駅、
人々の想いが重なり合う場所、
私はそれがとても好きで、時々、とても嫌いです。

今朝、マウイ島カフルイ空港から、
一年かけて関わったプロジェクトチームを
無事に送り出しました。

A HULA DRAMA「KAHEKILI(カヘキリ)」、
この舞台を、この想いを、マウイ島から
日本の皆さんにお届けすることができることに
感謝の気持ちでいっぱいです。



みなさま、22日、23日に東京JCBホールで公演、
 A HULA DRAMA「KAHEKILI」、
是非、足を運んでくださいね!

日本は近年、ハワイアン・エンターテイメントが大人気、
フラやハワイアン・ミュージックの流行と相まって、
様々なイベントが日本各地で頻繁に行われています。

ただ、ほとんどが、ミュージック・コンサートや
フラのパフォーマンスであったりするなか、
この「KAHEKILI」はフラ・ドラマというスタイルで、
フラやチャント(詠唱)などを取り入れながら、
「物語」を展開するところが見どころです。



どんな物語か、少しお話をしますね。

「KAHEKILI(カヘキリ)」とは、
マウイ島の王家に生まれ、1765年に実兄の跡を継ぎ、
マウイヌイアカマと呼ばれるマウイ島、ラナイ島、
モロカイ島、カホオラヴェ島を支配、
1793年に亡くなるまでの間にオアフ島をも制圧して、
後のハワイ王国建国の礎を作ったと言われる人物。

カヘキリとはハワイ語で「雷」、
名のごとく、存在を轟かせた偉大な王さま、
その姿は身長二メートル、体重百五十キロ、
半身が影と見まがうかのような
刺青に覆われていたことでも知られています。

私の住むワイルクは彼が居を構えていたため、
戦いの場ともなり、憩いの場ともなり、
そして神さまを崇める社もあった場所。

今回のプロジェクトに関わるなかで一番面白かったのは、
地元の歴史を知ることができたことでしょう。



「KAHEKILI」を日本へ、
初公演を観たときから思っていました。

好き嫌いのはっきりしている私にとって、
フラが好きだからフラのパフォーマンスを観る、
ハワイアン・ミュージックが好きだからコンサートに行く、
ということはなく、このフラを観たい、
この音楽を聞きたい、が主流。

そんななか、数年前にアンティ・ケアラの親友の、
アンティ・ホークーこと、ホークーラニ・ホルトさんが
総監督をつとめた舞台を観に行ってみよう、

カヘキリは昔のマウイの王さまだし、と軽い気持ちで
観に行ったのがこの舞台でした。  
 
一瞬にして、吹き飛びましたね。

目隠しをされたまま、
嵐のなかに放り出されたような気がしました。

五年ほど前ですから、私のハワイ語もまだまだ、
歴史の知識も少なく、古典的な踊りの様式、
また伝統的な儀式や武術の数々、生活習慣など、
舞台の上には私の知らない世界が広がり続け、
食い入るようにそれを眺めていたのを覚えています。



その私が、「KAHEKILI」を日本へ送り出すお手伝いが
できたのですから、時間と運命はすごいものです。

アンティ・ホークーは、
私の師であり、母でもあった
アンティ・ケアラが亡くなったあと、本当に力強く、
私たちを支えてくれました。

今回、その恩返しの一つになればよいとはじめた
「KAHEKILI」日本ツアーのプロジェクトは、
結果的に実行に一年間かかりました。

しかし、時間は私たちに様々な学ぶ機会をくれたのです。

まず、私は今回はじめて
劇場字幕を担当させてもらいました!
また、「KAHEKILI」を実際に観たことのある私にと、
新聞や雑誌に劇評を書くお仕事も
たくさんさせていただきました。

劇評を書くという作業は、
私にとって少し特別でした。

というのも、私が出版、執筆などの仕事に興味をもったのは、
大学時代に尊敬していたイギリス演劇が専門の教授に、
俳優座で行われた劇の劇評を書くチャンスをもらったことが
きっかけだったからです。

そのとき書いた劇評は今から考えると
経験不足で稚拙なものだったのでしょうが、
私を信頼してくださった教授が原稿の出来に満足、
それがうれしくて、「書いた」という記憶が
いつまでも残っているというわけです。

誰でも初めてのときというものがあるんですよね。

今回、この「KAHEKILI」がみなさんの初めてになれば、
と心から思います。

「フラのことも、ハワイの歴史も知らない、そんなお客様が、
ああ観て良かったといってくださる舞台を作りたい」
アンティ・ホークーはそう言っていました。

それが芸術なんだろうな、と
私はそれを聞いて思わず頷いたものです。

そして先週末、最終舞台リハーサルに行った私は、
それを再確認しました。



どこかで聞き覚えのある、厳しい指示を飛ばしながら、
アンティ・ホークーが作品のエッジを磨いていきます。



舞台には、ケアリイ・レイシャルをはじめとする、
日本でも大人気のミュージシャンやクム・フラ、
ポリネシア最大のフラの競技会メリーモナークで優勝した
ダンサーたちの顔が並びます。



彼らは、アンティ・ホークーのもとに、
マウイ島でハワイの文化を学び、継承する一人のダンサーとして、
群舞のなかで踊るのです。

その姿は、学び続けることの意味深さを、
何よりも訴えかけてきました。

「カヘキリというマウイ島の王たる人物が
ハワイの歴史として、いつまでも人々に愛されるように」
との願いのもとに作り出された作品であることはもちろんですが、
私はそこにマウイ島の人々の強い意思を感じます。

マウイ島には悠久の神聖なる王たち、王家の人々がいる、
彼らの存在を歴史の荒波が打ち消そうとも、
私たちは自分たちの祖を忘れはしないと。

その誇りを、その熱き想いをこの舞台に,

Eo Kahekilinuiahumanu !

カヘキリヌイアフマヌに栄光あれ、と。


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「KAHEKILI」の舞台のことは、
こちらのウェブサイトに詳しく紹介していますので、
興味のある方は、読んでみてください。
author : jingujiai
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神宮寺 愛
writer & coordinator
(J.U.One Corporation)
'ōlapa(Pā'ū O Hi'iaka)
@ Maui, Hawaii